触らず、ふさがず、つぶさない。早めのケアが重症化を防ぐ!!
この角栓が毛穴を詰まらせると、皮脂が表皮の下でどんどんたまって盛り上がり、表皮から頭が白くポツンと見える白ニキビになります。
白ニキビは初期で起こる症状。
簡単につぶれやすいため無意識に触ったり気になって爪でつぶしてしまいがちですが、毛穴が開いたり、細菌が繁殖し化膿して重症化する場合もあるので注意が必要です。
また、食事においては、低GI食品の摂取を心がけたり、牛乳を控え目にするなど、気を付けてみてください。
予防法としては正しい洗顔に加え、ファンデーションの厚塗りやメイクを落とさずに寝るなど毛穴をふさぐ行為をしない、入浴時は洗髪をしてから洗顔をする、といった日々のケアが重要。
この段階できちんとケアしておけば、治りも早く肌の状態も健康でいられます。
ニキビ肌で悩まないために、ぜひ早めのケアをオススメします。
白ニキビの治療法
白ニキビも黒ニキビも、初期のニキビです。
前述の通り、炎症がひどくないうちに日々のケアで緩和していくのであれば、特に薬や治療は必要ないでしょう。
しかし、炎症に発展した場合は注意が必要です。
日本皮膚科学会 尋常性痤瘡治療ガイドライン2017 によると、炎症性皮疹に対し以下の様な定義を設けています。
軽 症:片顔に炎症性皮疹が5 個以下
中等症:片顔に炎症性皮疹が6 個以上20 個以下
重 症:片顔に炎症性皮疹が21 個以上50 個以下
最重症:片顔に炎症性皮疹が51 個以上
つまり、炎症が起きているニキビの数で段階分けし、治療法を変えているわけです。
さらにMSDマニュアル(多くの医学専門家が内容を絶えず更新している医学情報源)におけるニキビの症状度合の定義は以下の通りです。
こちらは症状の程度による段階分けとなっています。
軽 度:
非炎症性の黒色面疱や白色面疱がごく少数(20個未満)、または小さな軽い炎症を起こした吹き出物がそれより若干多くできる程度中等度:
面皰、吹き出物、膿疱が多くなる重 度:
非常に多くの面皰、吹き出物、膿疱(膿を含んだ皮膚表面の隆起)、または嚢腫性(深在性)ざ瘡のいずれかが生じます。嚢腫性ざ瘡では、膿の詰まった痛みを伴う赤く大きな結節である嚢腫が5つ以上でき、皮膚の下でそれらが融合し、大きなじくじくした膿瘍を形成することもある。最重度:
集簇性ざ瘡(しゅうぞくせいざそう)。膿瘍から重度の瘢痕や他の合併症が生じる。
炎症が起こったニキビ=炎症性皮疹の治療を病院で行う場合は、その病院が保険診療のみか?自費診療のみか?両方に対応可能なのか?ここは事前に確認しておくと良いでしょう。
例えば、トレチノインという外用薬は、海外では炎症を起こす前の白ニキビの段階でも処方される、よく知られたピーリング効果のある塗り薬です。
しかし日本国内では未認可のため、自費診療対象となりますし、治療の第一選択肢にはならないのです。
よって保険診療の場合は、作用は違いますがトレチノインと似たような効果のある、アダパレン0.1%(ディフェリンゲル)がよく使われます。
外用薬においてはトレチノインであれアダパレンであれ、症状によりピーリング効果のある別の薬「過酸化ベンゾイル」や、抗菌薬である「クリンダマイシン」などを併せていきます。
当然のことながら患者さま個々の症状や希望、予算で処方する薬や施術方法が異なります。
その他の治療法としては、
- ケミカルピーリング
- 面疱の圧出
- 漢方薬
- 非ステロイド性抗炎症薬
- アゼライン酸
- ビタミンC外用
などが「尋常性痤瘡治療ガイドライン2017」において推奨されています。
どのガイドラインに沿うか、どの治療法を取るかは担当医師の知識や経験が合わさっての判断になりますので、「自分ではちょっと手に負えないな」と感じたら、ネットで薬探しをする前に、皮膚科探しから始めてください!
軽度(MSDマニュアル定義)のニキビなら、つぶす前であれば、痕を残さずに治すことができますよ。
白ニキビに似て非なるもの|稗粒腫(はいりゅうしゅ)
炎症のない白色面疱=白ニキビは、稗粒腫(はいりゅうしゅ)と似ています。
白ニキビは毛穴に皮脂が溜まったものですが、稗粒腫は角質が溜まったものとされており、主に子どもや女性に多く見られ、目の周りに複数発症することが多い「できもの」です。
痛みやかゆみがなく放置しても問題がない良性ですが、赤くなってくるようならそれは「白ニキビ」と言えるでしょう。
稗粒腫が美容的に気になるようならば、皮膚科で除去してもらえますので、どうかこちらも自分で無理をしないように気を付けてください。
何もしなくてもそのうち取れることもあれば、ヨクイニンのサプリメントや、ハトムギ茶を飲んで、ポロリと取れることもあります。
また、触っていたらちょっとずつ大きくなってきたとすると、それは粉瘤(ふんりゅう)かもしれません。
粉瘤も目の周りやまぶたにできることがありますので、シコリを感じたらできるだけ早めに受診をしましょう。
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