黄ニキビ

黄ニキビ

重症ニキビの最終段階。一刻も早く病院へ

膿疱ができる仕組み赤ニキビを放置していると膿をもって化膿し、黄ニキビ(化膿性ニキビ)に進行してしまいます。黄ニキビは皮脂と膿が皮脂腺を突き破り、真皮層や皮下組織にまでダメージを与える深刻な事態。皮膚の下で皮脂や膿が移動してしまうため、広範囲に炎症が広がり赤ニキビも多発します。また、ニキビ自体が治っても肌に凸凹や目立った跡が残る可能性が大きくなるため、一刻も早い治療が必要です。

この状態まで進行してしまうと、セルフケアや単一の治療での完治は困難。一度治っても同じ場所に再発する危険性が高いため、専門的な病院での適切な複合治療を行なう必要があります。症状は多様で別の皮膚疾患も起こりやすいため、治療は数ヶ月~1年以上かけての長期プランで焦らず少しずつ改善していきましょう。

黄ニキビの治療

重症のニキビ
黄ニキビの化膿の程度によっては、更に色が変色し紫ニキビへと発展することがあります。
皮膚の下で大きくジクジクした膿瘍(のうよう)を形成すると、ときに破裂し、指で軽く押しただけで血の混じった膿があふれ出てきます。
また、集簇性ざ瘡(しゅうぞくせいざそう)になると、その症状は「最重症」とされ、他の合併症が生じます。

重症ニキビにはステロイド剤の注射、イソトレチノインの内服

ここまでくると、赤ニキビまで塗り薬として使用していた非ステロイド性抗炎症薬は使わず、ステロイド剤の直接の注入(注射)をすることになります。

また、内服抗菌薬の効果が見られない場合は、イソトレチノイン(アキュテイン/ロアキュテイン/ロアキュタン)の経口投与という治療法が取られる場合もあります。

このイソトレチノイン、皮脂の分泌を強烈に抑制するビタミンA誘導体で、難治性ニキビに対する評価は非常に高い一方、さまざまな重い副作用を引き起こす可能性も高いお薬です。
厚生労働省からは、米国食品医薬品局(FDA)の注意喚起文書が公開されているほど。
参照:アキュテイン(ACCUTANE)(わが国で未承認の難治性ニキビ治療薬)に関する注意喚起について
よって、その取扱いには、高い知識や経験と緊密な指導が必要なため、難治性ニキビ治療の専門である医師によって行われるべき治療法であり、最後の砦ともいえます。

最後の砦とはいえ、イソトレチノインでの治療には最低でも4~5か月必要と言われています。またその1クールで改善しない場合は、4か月の間をあけて次のクールを行いますので、あきらめずに治療を続ける根気と費用が必要となります。

ニキビ治療に含まれる指導内容

ニキビの治療内容
ニキビのどの段階でも医師や専門家は、治療や施術、医薬品の処方以外に、洗顔方法や基礎化粧品の使い方、メイクアップ方法、食事の指導を行い、患者さまのQOL(Quolity Of Life/生活の質)の改善に努めるべきです。
また患者さまも医師とよく話し合い、自身の症状や医師の指導内容を理解し、積極的に治療に参加することが大事です。
指導がない、指導が一方的、もしくは指導内容に不安を感じたら、他の専門家を探すことも考慮に入れてください。

ニキビは症状が悪化するほどに治療が長引きます。
炎症に対する治療が終わると、美容的に肌の凸凹がひどい場合は形成外科領域での手術が必要となります。
また再発を防ぐための、耐性菌がつきにくい抗菌薬の内服の継続なども必要になってくるでしょう。
他にも再発防止の対策は様々です。

ニキビに悩む皆様が、長く付き合っていける信頼できる医師と巡り合えることを切に願っております。

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